BANANA NEWS 2025.9 vol.226 [特別臨時号]笑いでつながる、文化とケアの未来

BANANA NEWS 2025.9 vol.226 [特別臨時号]笑いでつながる、文化とケアの未来

秋晴れのさわやかな季節を迎えましたが、皆さまつつがなくお過ごしでしょうか。BANANA NEWS vol.226 特別臨時号です!今号では、9月7日に開催された「共に笑い、共に生きる『狂言教室』」について特集します。

内閣府「多世代参画による地域活力プラットフォーム構築調査事業」
「共に笑い、共に生きる『狂言教室』」開催レポート

9月7日、横浜市泉区新橋地域ケアプラザで開催された「共に笑い、共に生きる『狂言教室』」。内閣府「多世代参画による地域活力プラットフォーム構築調査事業」のキックオフイベントとして実施された本取り組みは、世代や立場を超えて人々をつなぎ、文化とケアが重なり合う共生の輪を描き出しました。来賓の方々からの祝辞に支えられ、会場は一体となった温かな雰囲気と未来への期待に包まれました。

狂言で広がる笑いと共生

冒頭、主催者であるバナナ園グループ矢野達郎代表が登壇し、「狂言教室は認知症ケアの現場から始まった取り組みですが、地域に開かれることでさらに多くの人の笑顔とつながりを生み出します」と力強く挨拶。長年積み重ねてきた経験を地域と共有する意義を改めて示し、イベントの幕が開きました。狂言師・十世三宅藤九郎先生による実演では、「狂言は600年前から続く日本唯一の喜劇。人がどんな状況でも笑いを選び取る力を持つことを伝える芸能です」と語り、参加者と共に姿勢や発声の稽古を体験しました。犬や鶏の鳴き声を声で表現する場面では、笑い声と真剣なまなざしが交錯し、伝統芸能の奥深さと楽しさが一体となる瞬間が生まれました。

文化とケアを語るクロストーク

続いて行われたクロストークには、横浜イノベーション推進機構の黒澤史津乃代表のファシリテーションのもと、三宅藤九郎先生(狂言師)、矢野代表(バナナ園グループ)、萩原達也副理事長(社会福祉法人開く会)が登壇。「一歩を踏み出す気持ちが地域を元気にする」(黒澤代表)、「笑いと交流は認知症ケアに欠かせない」(矢野代表)、「障がいのある方々に活躍の場を広げてきた経験を活かしたい」(萩原副理事長)と、それぞれの立場から熱いメッセージが寄せられました。本取り組みは、横浜市が推進する「サーキュラーエコノミーPlus」の理念を体現するものです。藤九郎先生は「いくつになっても学び、挑戦できる。その喜びが人を輝かせ、周囲を元気にする」と結びました。参加者の表情に刻まれた笑顔こそ、この取り組みの成果でした。文化とケアが出会う場から生まれる新たなつながりが、地域を未来へと導いていきます。地域資源を循環させ、多世代が共に支え合う共生社会を築く第一歩となり、来賓の皆様からも祝辞をいただき、行政と地域、福祉と文化が一体となって取り組む意義があらためて確認されました。

交流の中から生まれた次の一歩

クロストーク後には、本地域の自治会長や福祉関係者、登壇者らが参加する交流タイムを実施。地域で抱える困りごとや悩みを率直に共有し合い、思いを重ね合います。笑いに包まれた体験と真摯な語り合いを経て、参加者全員が「次の取り組みへ」と心をひとつに。今回の成功を礎に、早くも第2弾への期待が高まっています。

バナナ園 武蔵小杉にて狂言教室を開催

バナナ園武蔵小杉で開催した狂言教室。十世三宅藤九郎先生の迫力ある舞台を目の前で体感し、口伝で声を合わせながら学ぶ心豊かな文化体験のひととき。笑いや発見を分かち合いながら、日本の伝統に自然と親しむ温かな交流の場となりました。今年も8 月から毎月開催し、来年3 月まで続きます。