【地域社会の課題解決に貢献】文化とケアの融合で、地域に広がる“助け合いの輪”

【地域社会の課題解決に貢献】文化とケアの融合で、地域に広がる“助け合いの輪”

2025年9月7日(日)横浜市新橋地域ケアプラザ(横浜市泉区)にて、和泉流十世 三宅藤九郎先生をお迎えし、「共に笑い、共に生きる『狂言教室』」イベントを開催いたしました。

本イベントは、内閣府が実施する「多世代参画による地域活力プラットフォーム構築調査事業」の採択団体である「一般社団法人横浜イノベーション推進機構」とバナナ園グループとの共同開催となります。

地域密着型グループホームとして、日本全体の課題でもある福祉の未来にどう貢献できるのか、皆さまと共に考える時間となりました。

古来より伝わる文化が、人と人の距離を縮めていく

まずは来場いただいた地域の皆さまと狂言を体験することから始まりました。三宅藤九郎先生による「狂言教室」は、バナナ園グループでも認知症ケアの一貫として15年以上にわたり続けてきたプログラムです。

笑いの芸術とも言われる狂言は、抑揚をつけながら大きな声で演じられます。そのためには正しい姿勢と筋力が必要となり、運動機能改善とストレス発散の効果が期待できると考えています。また、狂言は台本を読むのではなく、先生の声や動きをまねて覚える「口伝(くでん)」という形で伝えられます。
こうした声に出して覚える体験は脳の刺激にもなり、認知症をお持ちの入居者さまの中には、回を重ねるうちに台詞を口ずさむ方も見られました。

笑いの芸術とも言われる狂言は、抑揚をつけながら大きな声で演じられます。そのためには正しい姿勢と筋力が必要となり、運動機能改善とストレス発散の効果が期待できると考えています。また、狂言は台本を読むのではなく、先生の声や動きをまねて覚える「口伝(くでん)」という形で伝えられます。こうした声に出して覚える体験は脳の刺激にもなり、認知症をお持ちの入居者さまの中には、回を重ねるうちに台詞を口ずさむ方も見られました。

本イベントでは、短い演目である「兎(うさぎ)」を体験。最初は少し照れている様子がありながらも、次第に笑顔が広がり、会場全体が和やかな雰囲気に包まれました。
日本古来より伝わる狂言という文化を、地域の皆さまと一緒に体験することでは、気持ちも明るくなり、人と人の距離を縮めることができるとが縮まることだと実感することができました。

地域の課題は、地域に根付く皆んなで支えていく

狂言教室の後は、「一般社団法人横浜イノベーション推進機構」の代表理事である黒澤 史津乃さまの司会進行のもと、地域課題の解決についてのクロストークを実施。バナナ園グループ理事長の矢野、三宅藤九郎先生、社会福祉法人開く会 副理事長の萩原達也さまが登壇されました。

【バナナ園グループ】ケアアシスタント制度

地域の取り組みとして、認知症を持つバナナ園グループの入居者さまに就労機会を創出する「ケアアシスタント制度」を理事長の矢野より紹介させていただきました。
この制度は、入居者さまに洗濯物の整理や配膳準備などのお手伝いをしていただき、それに対して賃金をお支払いするものです。週に数時間からの短い時間ではありますが、「役割」を持つことが生きがいにつながり、毎日の生活に活力を生み、より行動の幅が広がる事例として発表しました。

【社会福祉法人開く会】農福連携の取り組み

社会福祉法人開く会が営業する石窯ベーカリー&レストラン「ファール ニエンテ」(地下鉄下飯田駅)は、農園レストラン主体の福祉事業所。3千平方メートルの敷地で障がいを持つ方々が小麦や野菜を栽培し、その食材を使ってレストランで料理を提供しています。また、開く会は廃油の再利用や、菜の花から菜種油、ひまわりからひまわり油を収穫する取り組みを進められています。
泉区は横浜市でも農地が広いことから、農業と福祉をつなぐ「農福連携」の考え方の必要性を萩原さまよりご紹介いただきました。

【横浜イノベーション推進機構】イノベーションを引き起こす巻き込み力

家族構造が変化し、単身の高齢者や夫婦世帯がここ泉区でも増えています。昔の社会をもとにしたシステムが、今の日本の実情とかなりギャップがあることと、支える側が減り、支えが必要な人が増えている実情を黒澤さまからも挙げられました。

こうした地域社会の課題解決は、バナナ園グループであったり、開く会であったり、地域に根付いて活動をしている皆さまと協力体制を敷きながら取り組んでいくことである。まさにイノベーションを引き起こす“巻き込み力”を持って推進していくことを、地域の皆さまにお伝えしました。

バナナ園グループとして、目指すこと

バナナ園グループは、狂言教室の他にもさまざまな取り組みを実施しています。目標は常に「その人らしく生きる」を支えること。高齢者でも、認知症を持っていたとしても、その人と向き合うことが大切だと私たちは考えます。

本イベントでは、私たちが向き合う入居者さまだけではなく、地域の皆さまともイベントを通して交流を深めていき、まずは知っていただくことが重要だと再認識いたしました。もっと多くの方に狂言教室を始め、バナナ園グループの取り組みを知っていただき、参加いただくことが、地域社会への貢献の第一歩になると信じて、日々挑戦を続けていきたいと思います。

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