BANANA NEWSの小さなコラム『この店がお薦め』に載せる為、毎月スタッフ推薦のお店でお話を伺っているが、今月は「すこやかケアプランセンター」のKさんの紹介で元住吉の喫茶店「いーはとーぶ」さんを伺った<因みにこのお店の先代ママさんはK氏のお客様>。ママさんに一通りお店の自慢メニューや歴史をうかがったのち、「昨今は喫茶店も大手のフランチャイズ化が進み、昔ながらの街の喫茶店は経営的にも本当に大変、お客様に如何に喜んで貰えるか?をテーマに四苦八苦」と言われた。通常のメニューの工夫はもちろんだが、やはり珈琲には相当なこだわり、豆の選定から煎り方、挽き方、ドリップのしかた等々小さなこだわりの積み重ねと、これらが流れるような絶妙のタイミングで行われなければ本当に美味しい珈琲は出せないし、「ここだけは絶対に妥協はしない」と言う。また、素早くこれらの作業をこなすには経験は勿論、機械導入の為数百万の投資も必要だそうだ。我々が普段何気に飲んでいる珈琲にも、例え味音痴の客にたいしても同じ労力やこだわりが注がれているワケである。その作業はあたかも、芸術家と呼ばれる人々やモノ造りに携わる人々が、素人が全く気にもしないディテールに妥協を許さない態度、或いはプロスポーツ選手が結果を出すためにフォームに工夫をしたり、ギリギリまでこだわるのに似ていなくも無いと思える。実はこのコーナーで伺ったお店ののほとんどは老舗もしくは職人や料理人として経験の豊かな方ばかりであった、各々の楽しいエピソードは様々であるが、お客様に出す売り物やサービスに対する『芸術家』のような頑固さと妥協の無い態度は不思議と共通している。そういう態度で仕事に臨んでいるからこそ、地元で「老舗」と言われるようになるし、そうでなければ商売を続けてはいけないのだろう。彼等の話しを聞く度に、自分の回りにコロがる「ま、イイか」や「これで上出来」と言った「妥協」を恥じている自分が悲しくなるのである。