お待たせいたしました。BANANA NEWS 213号が完成です。
今号は、バナナ園グループの独自の取組み「音楽療法」の特集です。
どうぞご覧ください!
「音楽療法」とは何か?音楽療法士の高橋佐智代先生にインタビュー!
正社員、ショートタイム社員問わず全員にバナトレの研修を実施!
記憶や身体機能にも影響を与える音楽療法〜楽しみながら心と体をリフレッシュ〜
音や音楽を使い入居者様の健康に役立てる
今回はバナナ園グループの取組みのひとつ「音楽療法」を担当していただいている音楽療法士の高橋佐智代さんにお話を伺いました。
音楽療法士を目指すきっかけは人間の五感の中で「聴覚」は最後まで残るというお話を聞いたことでした
音楽が好きでジャズや楽器について音楽学校で学んだ後、シンセサイザーのオペレーター関連の仕事や、作詞作曲をしていました。結婚後に耳鼻科でアルバイトをした際に「亡くなる直前まで聴覚は残る」というお話を伺い、音楽と健康との深い関係に興味を持ったことが音楽療法士を志すきっかけになりました。
音楽療法士になるべく30代後半に専門校で資格の勉強をしましたが、資格取得には現場実習が必要でした。ところが高齢者ついて何の知識もありませんでしたので、まずはヘルパーの資格を取得し高齢者への理解を深めることにしました。その時のヘルパーの実習先が第2バナナ園。実習を重ね音楽療法士に合格してからは、その時のご縁でバナナ園グループをはじめ老人保健施設、特養老人ホームなどで活動させていただいています。
様々な感覚を刺激しながら、尊重し寄り添い、お一人おひとりに合わせた音楽療法を心がけています
音楽療法では、様々な感覚を刺激しながら、ご自身で興味のある楽器を選んだり、歌ったり、その方なりの楽しみ方を尊重し、一方的にならないよう心がけています。
音楽を楽しむことで様々な健康効果も期待できます。例えば歌うことで唾液の分泌の促進や呼吸機能を活発にしますし、楽器を握る、叩くことで身体運動を誘発し、気づいたら姿勢が良くなっていたということも。季節ごとの花の香りを感じながら歌ったり、時には大きなお野菜を持って質感や重さを体験していただいたり…入居者様から調理方法を教えていただくこともあります。歌ったり楽器を演奏することで起こる音の振動は筋肉や関節の緊張を緩め、心地よいテンポのリズムは血圧や心の安定、または覚醒を促すことに役立ちます。
また音楽と記憶は結びつきやすいという特性があるので、参加される方の馴染みの曲を提供することで、懐かしい記憶や感情が蘇り、それをきっかけに発話が増え意思疎通の一助となることもあります。歌いながら楽器を演奏する等二つの動作を組み合わせた活動は、認知症予防にも取り入れられています。入居者様の言葉にならない気持ちを探りながら、さり気なく寄り添い、心地よい時間を過ごしていただく「場」を大切にしたいと思っています。
徐々に変化がみられ、楽しそうにされている皆さんの笑顔に元気をいただいています
はじめは参加自体が難しかった方が徐々に口を動かして笑顔や涙が溢れたり、入居者様同士、二人で一つの太鼓を叩いて笑顔で交流する姿が見られたり、普段見せない表情や行動に現場の職員の皆さんが気づいて一緒に喜んでくれたりするのは本当に嬉しく、こちらも元気をいただいています。認知症の影響で記憶が薄れたとしても、そのひと時をリラックスしていただき、音に合わせて体を動かした事や楽しかった気持ちが細胞に積み重なってくれたらいいなと思っています。コロナ禍でストップしていた活動も徐々に再開されていますので、バナナ園グループの職員の皆さんにご協力いただきながら、今後も入居者様の健康に繋がる活動に努めていきたいと思っています。
日本音楽療法学会認定音楽療法士
川崎、横浜、茅ヶ崎等の高齢者施設、宮前区の社会復帰相談事業(保健所デイケア)で、音楽療法士として活動中。
風の楽校(発達支援)のミュージカル部門「音・遊ゆう」にて音・音楽担当。
作曲・作詞。女性アーティストを中心にポップス系の楽曲提供している。
パーソナルトレーニングの機能解剖学を踏まえた知識を身に付け介護の質を向上する
進化する『バナトレ』全職員に講習会を実施
バナナ園グループの全施設で定期的に実施しているシニアパーソナルトレーニング「バナトレ」。短期間でたくさんの入居者様の日常生活動作や歩行等、目に見えて良い変化が表れています。今回、さらに日頃の介護や職員自身の健康に活かせるよう、全職員を対象に専門的な知識を身に付けるための講習会を開催しました。講師はSP-BODY代表の小林さん、トレーナーの太田さん、茂木さん。「バナトレ」の実施目的である「入居者様の介護度を下げる」「職員の介護の負担を軽減する」、そしてSP-BODYが考案し、行政や大手企業、教育機関等の多方面から大きな注目を集めているオリジナルのフェムケアのメニュー「月経コンディショニング」の3つをテーマに講習プログラムを実施。それぞれにバナナ園グループの施設で「バナトレ」を担当しているため、入居者様お一人おひとりの状況・状態をよく把握されており、実例をあげながら具体的に解説し、実際に体を動かしながら、機能解剖学に基づく骨や筋肉、体の動きをわかりやすく説明してくださいました。入居者様になりきって体を動かすシーンでは動きにくさやよろけるなどを体感し、「人の体や動きを制御することの難しさ」を身をもって体感する貴重な時間になりました。介護のベテラン職員であっても新たな発見がいくつもあり、日頃の介護においてどのようなサポートや対応が必要なポイントであるかについて理解が進みました。職員と組織の知識と能力をアップデートし続け、継続的に介護の質を向上することで入居者様やご家族の笑顔、職員の自信と誇り、地域社会への貢献につなげていくため、今後も講習会を開催していきます。