お待たせいたしました。BANANA NEWS 214号が完成です。
今号は、「世界一の日本人心臓外科医 南和友先生ご来訪!」の特集です。
どうぞご覧ください!

TOPIC

世界一の日本人心臓外科医・南和友先生にインタビュー「この施設にいる方たちは本当に幸せだ」
かわさき健幸福寿プロジェクトにて金賞を受賞!事業所インタビュー のんびりーす等々力 / バナナ園 生田ヒルズ

世界一の日本人心臓外科医ご来訪!〜南和友先生に伺いました〜
運動と認知症予防

 ドイツで30年間心臓治療の第一線で活躍され、心臓手術は約2万件、心臓移植は約1,500件の症例数を持つ南和友先生がバナナ園グループの施設にお越しくださいました。
 この貴重な機会に、南先生が“運動と認知症予防”についてお話してくださいました。

頭を使う仕事をしている人も認知症になる

 私のクリニックでは脳ドックを行っており、運動していない人は脳の委縮が激しいという客観的なデータが出ています。また長年様々な患者を診ていると、元大学教授や元研究者だった方など頭を使う職業の方も認知症になりやすいことがわかっています。何時間も根詰めて仕事をしているとアドレナリンが出っ放しになり、血管を収縮させ脳への血流が悪くなるため、認知症になりやすくなるのです。
 一方、激しい運動もアドレナリンが出っ放しになるため、心臓に悪い影響を及ぼします。よく「心臓を鍛える」という言い方をしますが、心臓を鍛えると心肥大になります。そうなると心臓の機能は落ちてしまい、不整脈や心不全になるのです。理想的なのは、“筋肉や関節に負担をかけず”、“心臓や肺の機能に負担をかけすぎずに血液を体全体に巡回させる”「有酸素運動」が効果的です。どこでもできますし、お金もかかりません。

運動するのに理想とされる心拍数

脈拍=(220-年齢)×(70~80%)
例:60歳の場合 (220-60)×(0.7~0.8)=112~128 拍/分

体の機能が衰えないように運動をすることや歌うことで認知症を予防

 加齢とともに脳が委縮しますが、最新の医学研究から、生活行動を改善した場合に減少が抑えられ、より健康に保てることが明らかになっています。そこで、認知症の高齢者の方であっても可能な範囲で運動することが非常に大切です。運動をすることで脳の伝達因子であるセロトニンやドーパミン、オキシトシン等が増え、その結果、脳細胞が活性化します。声を出して楽しくやると良いですね。楽しいという感覚は、アドレナリンとは反対の物質であるエンドルフィンが出ますので、血圧が下がりますし、血流も良くなります。体の機能が衰えないように運動をすることや歌うことで、認知症の予防や進行の抑制に繋がります。

より良い介護サービスを開発・提供し続ける施設が必要になる

 日本は人口に占める高齢者の割合が高いため、高齢者の介護を高齢者が行う「老老介護」が増加している実態があり、社会課題のひとつになっています。今回、バナナ園グループのグループホームを訪問し、若い方から年配の方まで様々な職員が入居者様に寄り添って介護する様子を見学しました。入居者様が居間で穏やかに過ごしていたり、歌いながら元気に体操している様子に触れ、「この施設にいる方たちは本当に幸せだ」と感じた次第です。
 最近国内で認知症の新薬が承認されましたが、大変高額で誰もが使用できるというわけではありません。認知症になりつつある人に現時点で医療ができることはほとんど無いといっていいでしょう。
 平均寿命高齢化が伸びることで病気にならない健康習慣を身に付けることはもちろんですが、今後さらに介護の重要さが増していきますので、より良い介護サービスを開発・提供し続ける施設が必要とされるでしょう。

医療法人社団友志会 南和友クリニック 理事長・院長 南 和友

京都府立医科大学卒業。
以後30年間にわたりドイツで心臓血管外科医として活躍。2004年日本人としてはじめてボッフム大学永代教授に任命される。2005年から日本大学医学部心臓血管外科教授を務める。2010年医療法人北関東循環器病院の病院長に就任。2018年医療法人社団友志会南和友クリニック開院。
これまでにおよそ20,000例の心臓・血管・肺手術を執刀。特別講演・テレビ・ラジオ出演。著書多数。

金賞受賞おめでとう!かわさき健幸福寿プロジェクト

 2023年8月31日、高津市民館大ホールにて「第7期かわさき健幸福寿プロジェクト表彰式」が行なわれました。表彰式には金賞を受賞した「のんびりーす等々力」が参加しました。

金賞受賞 のんびりーす等々力

管理者 栗山 玲さん
 入居当初、押田さんは栄養状態も体の状態も良くなかったためケアも大変でしたが、洗濯物たたみや新聞折りをお任せし、仕事をこなして感謝されるという喜びや、ほかの入居者様との交流を通して次第に自信につながっていきました。今回、金賞を受賞したことがまたひとつ自信や喜びに繋がっているご様子で、普段は外出を面倒がる押田さんが、授賞式には自ら進んで参加し、写真も喜んで撮られていました。私たち職員は、押田さんがこの金賞受賞を嬉しそうにしていることが何よりの喜びです。薬が減り、往診回数が減っていますので、これからも楽しくお元気にお過ごしいただきたいです。職員は皆、入居者様のことをよく見て、それぞれの方にあったケアを丁寧に行なってくれており、いつも感謝しています。

金賞受賞 バナナ園生田ヒルズ

管理者 須田 晴佳さん
 小川さんは「ゆっくりのんびりと暮らしていきたい」、「皆さんと仲良くしたい」と思ってる方です。新しく入居された方はお年が近くてお喋りの好きな方。とても気が合うようで以前よりも笑顔が増えました。また、比較的自立度が高い入居者様がほとんどで、職員も若くて元気があり、雰囲気の良い環境です。その影響もあって入居者様同士の会話も増え、活気が出て、介護度にも良い影響が出ているのだと気づかされました。
 このたびの金賞は、バナナ園生田ヒルズとして入居者様と職員の皆で獲得できたのだと思うと、私も大変うれしく、感謝の思いでいっぱいです。