気がつけば日脚もめっきり短くなり、冬の訪れを感じます。朝晩の寒さにはどうぞご用心ください。
BANANA NEWS vol.221です!今号では11月12日に開催した「歌 de 認知症予防SHOW」を特集します。

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バナナ園グループ初の試みとなる、地域の皆さまに音楽と運動で認知症予防を体験・理解していただくイベントを開催。当日の様子をレポート!

歌 de 認知症予防SHOW 〜アーティストと音楽療法士によるスペシャルライブ〜

2024年11月12日(火)、バナナ園グループは川崎市幸市民館にて「歌 de 認知症予防SHOW」を開催しました。地域の皆さまに音楽を通じた認知症予防と健康づくりの楽しさをお届けする初めての試みでしたが、多くの方々にご参加いただき大盛況となりました。本号では、3部構成で行われたイベントの様子をお届けします。

第一部:音楽がもたらす認知症予防の可能性

イベント第一部では、音楽療法士・高橋佐智代さんとSP-Body のパーソナルトレーナーである太田藍さんが、音楽療法の効果と実践法を語りました。高橋さんは「音楽には脳神経に働きかけ、記憶を呼び起こし、心身を活性化する力がある」と説明しました。懐かしい歌が会話を生み、気持ちや身体を前向きにする例を挙げる一方、「マイナスの記憶に結びつかないよう音楽選びは慎重に行う」との考えも共有しました。映像では、バナナ園グループの日常的な音楽療法の様子が紹介され、手遊び歌を使った集中力向上のセッションや季節を感じるプログラムに、会場も自然と歌い始める場面が見られました。太田さんは「正しい姿勢と呼吸が良い声を生む」と補足し、簡単な姿勢改善法をアドバイス。「骨盤を立てるだけで身体の土台が整う」との言葉に、多くの参加者が姿勢を正す姿が印象的でした。

第二部:音楽の力を体感するライブセッション

続く第二部では、アーティスト奈月れいさんと三崎一平さんによる歌謡ショーが行われました。奈月さんは、パラリンピック正式種日「シッティングバレーボール」の公式サポートシンガーに選ばれるなどの実力派シンガーです。一方、三崎さんは長年ロス・イン・ディオスに在籍し、数々のヒット曲に携わっています。現在はソロアーティストとして、持ち前の高音を生かした歌声でファンを魅了し続けています。ライブの中では、「みんなで歌いましょう!」という奈月さんの明るい呼びかけに会場中の声が一つになったり、「背筋、曲がってないですか?」という三崎さんの軽妙な一言に笑いが起こる瞬間も。さらに、二人がステージを降りて観客席を回りながら握手を交わす場面では皆さんも笑顔になり、会場は大盛り上がりとなりました。

第三部:みんなで楽しむ、音楽と運動のセッション

第三部では、会場にいる全員が音楽に合わせて身体を動かすインタラクティブセッションが行われました。太田さんは「身体の現状維持は私たちが思っている以上に難しいこと」と話し、高齢者が自立した生活を続けるために必要な“機能改善”の重要性をわかりやすく解説しました。バナトレは機能改善を目指した運動プログラムで、骨盤を立てたり、脊柱を改善するシンプルな動きが中心です。「実際にやってみると驚くほど簡単ですが、これらの動きが身体の土台を整えて現状維持を支えるカギになります」と太田さんは話しました。最後に、奈月れいさんと三崎一平さんが加わり、音楽に合わせた体操セッションがスタート。「別れても好きな人」や「ふるさと」の楽曲に合わせて、バナトレをベースにしたプログラムを実践しました。会場には歌声が響き、音楽と運動の相乗効果を体感できた特別なひとときとなりました。ご来場いただいた方からは「楽しく身体を動かせた」「懐かしい音楽に久しぶりに泣きながら歌った」「これからの生活のとてもいいヒントとなった」といった嬉しい声が寄せられました。

イベントを振り返って

今回のイベントにはたくさんの方々にご来場いただき、音楽療法や運動療法を通じて、健康づくりについて考える素晴らしい時間を共有できたと感じています。参加者皆さまの笑顔や生き生きとした姿、そして「楽しかった」「また参加したい」といった温かいご感想からも、この取り組みが多くの方々に楽しさと健康意識を届けられたことを実感しています。このイベントが実現したのは、日々ご支援いただいている地域の皆さまや、ご協力いただいたチームケアの皆さまのおかげです。バナナ園グループでは、今回のイベントを1つのステップとし、音楽や運動を取り入れたケアの可能性をさらに広げていきたいと考えています。地域社会とともに、利用者一人ひとりの笑顔があふれる毎日を目指して、今後も様々な取り組みに挑戦してまいります。