寒気の中にも早春の息吹が感じられる頃となりましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
BANANA NEWS vol.222です!今号では、バナナ園グループ独自の取り組みの1つである「狂言教室」を特集します。
“笑いのこころ” 狂言教室の魅力に迫る…十世三宅藤九郎先生にインタビュー!
口福の会 in 武蔵小杉
笑いの力で心を豊かに
笑いと伝統が紡ぐ新しいケアの形⏤。和泉流 十世三宅藤九郎先生をお迎えしたバナナ園グループの「狂言教室」。伝統芸能が入居者様の心と身体にどのような変化をもたらしているのか、藤九郎先生の言葉を交えながらその魅力に迫ります。
十世三宅藤九郎先生と狂言教室への想い
十世三宅藤九郎先生は、和泉流宗家に生まれ幼少期より舞台に立ち、“史上初の女性狂言師”の1人として活躍を続けています。「狂言を通じてより多くの方に笑顔を届けたい」という想いから、学校や文化施設だけでなく、介護施設でもその魅力を広めています。「笑いは人を元気にし、心を開かせる力があります。特に高齢者の方々には、狂言のリズムや台詞を通して、新たな楽しさを見付けていただきたいと思っています」と語る藤九郎先生。10年以上にわたり続けられているバナナ園グループでの狂言教室では、入居者様が狂言の所作や発声を体験しながら、日本の伝統芸能の素晴らしさを体感しています。
「口伝」がもたらす心身の変化
狂言教室では、鑑賞と実践を組み合わせたプログラムが行われています。特に「口伝(くでん)」と呼ばれる伝統的な技法は、知識や習慣などを口頭で継承するもので、記憶力や身体機能の向上にも役立つとされています。藤九郎先生は、口伝による伝承を、ただ覚えるだけでなく心を込めて伝える大切さを学ぶ時間でもあると語ります。毎回、入居者様には小舞謡「兎」を練習していただきます。正しい姿勢で声を出すことで、身体全体にエネルギーが行き渡り、首や顔の筋肉を活性化させる効果も期待できます。「謡を覚える過程で自然と笑顔になり、集中する姿がとても印象的です。皆さんの前向きなエネルギーに私自身も励まされています」と藤九郎先生は感慨深く語りました。さらに、稽古の成果を実感する瞬間も。全8回の教室終了後、多くの入居者様が1曲をしっかり覚え、自信を持って披露する様子は周囲を大いに感動させています。
バナナ園グループの先進的なケアと狂言教室の“笑いのこころ”
狂言教室は、バナナ園グループが行う多彩な取り組みの1つです。「介護に狂言の“笑いのこころ”を取り入れることで、入居者様が毎日をもっと楽しめるようになれば」と藤九郎先生は述べます。この取り組みは、身体的なケアだけでなく、心のケアとしても高い評価を受けています。また、バナナ園グループは狂言教室以外にも「バナトレ」や音楽療法、水耕栽培など入居者様のQOL(生活の質)を高める革新的なプログラムを実施しています。「私もバナナ園グループさんの数々の素晴らしい活動にとても感銘を受け、共感しています。これからも一緒に新しい可能性を探っていきたいです」と、藤九郎先生は未来への期待を語りました。
狂言の笑いに触れ、日常の中で新たな楽しみを見付ける。
日本の伝統芸能が広げる心豊かな世界をこの機会に体験してみませんか?
口福の会 in バナナ園武蔵小杉
「口福の会」⏤ 新年を祝う和の味わい
1 月24 日、バナナ園武蔵小杉で開催された「口福の会」。フードコーディネーターの岩下美帆先生が、旬の食材を活かした和のフルコースランチを振る舞いました。美しく盛り付けられた前菜三種、やさしい味わいのすり流し、香ばしい鰆の西京焼き、出汁の旨みが広がる鳥つくねの煮物…。食事が進むごとに、皆さんの笑顔が溢れます。お花に囲まれたキッチンで、目の前で繊細に仕上げられる一皿一皿。五感で楽しむ食のひとときに、心も満たされました。
新年を祝う和食御膳
1.前菜三種(カブと金柑の甘酢和え・スモークサーモンおろし和え・鴨ロース)
2.お椀(人参と菊芋のすり流し)
3.メインの焼き物と煮物(鰆の西京焼き・鳥つくねの筑前煮風)
4.季節のごはん(牛ごぼう混ぜごはん)
5.デザート(黒豆ムース)