親を施設に入れた後悔は間違いじゃない?罪悪感を和らげる5つの方法
親御さんを介護施設へ入居させた後、「本当にこの決断で良かったのだろうか」と、重い後悔の念に苛まれていませんか。在宅介護が限界に達し、悩み抜いた末の決断だったはずなのに、心に罪悪感がのしかかるのは、とても辛いことです。しかし、そのように感じているのは、あなた一人ではありません。多くの方が同じような葛藤を抱えています。この記事では、なぜ後悔の気持ちが生まれるのか、そしてその罪悪感をどのように和らげていけば良いのかを、具体的に解説していきます。
親を施設に入れた後に後悔する主な理由

施設への入居後、ふとした瞬間に後悔の念が押し寄せてくることがあります。その背景には、いくつかの共通した理由が存在します。ご自身の状況と照らし合わせながら、まずはその原因を探ってみましょう。
| 後悔の主な理由 | 具体的な状況 | 感じやすい感情 |
| 親からの言葉 | 「家に帰りたい」「寂しい」と言われる | 罪悪感、無力感 |
| 施設への不満 | スタッフの対応や設備に不安を感じる | 疑念、不信感 |
| 自身の罪悪感 | 「親を見捨てた」と感じてしまう | 自己嫌悪、後悔 |
親の「家に帰りたい」という言葉
面会に行った際に、親御さんから「家に帰りたい」「寂しい」といった言葉を投げかけられることは、何よりも胸が締め付けられる瞬間です。 住み慣れた我が家を離れた寂しさや、新しい環境への戸惑いから発せられる言葉だと頭では理解していても、まるで自分の決断を責められているように感じてしまうことがあります。親の願いを叶えられなかったという無力感が、後悔の気持ちにつながるのです。
施設の対応への不満や不安
入居前には丁寧に見えた施設の対応も、実際に生活が始まると、スタッフの些細な言動や他の入居者との関係など、気になる点が出てくることがあります。 親御さんから不満を聞かされたり、自分の目で見て不安を感じたりすると、「もっと良い施設があったのではないか」「自分の選択が間違っていたのではないか」という疑念が生まれ、後悔につながります。大切な親を預けているからこそ、施設への不信感は大きなストレスとなるのです。
「自分は親を見捨てた」という罪悪感
「親の面倒は子どもが見るべき」という思い込みや、周囲からの無言のプレッシャーによって、「施設に入れた=親を見捨てた」という罪悪感を抱いてしまうケースは少なくありません。 これまでの介護生活から解放されてホッとする気持ちが芽生えた瞬間に、「自分は楽をしたいがために親を犠牲にしたのではないか」と、自分自身を責めてしまうのです。この罪悪感が、後悔の念をさらに増幅させてしまいます。
あなたの決断は間違っていない!施設入居が必要だった理由
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後悔の念に苛まれている今、一度立ち止まって、なぜ施設入居という決断が必要だったのかを思い出してみてください。それは決して、親を見捨てるための選択ではなかったはずです。
限界だった在宅介護の現実
施設入居を決断する前、在宅介護はすでに限界に達していませんでしたか。24時間体制での見守り、体位変換や排泄の介助、認知症への対応など、終わりが見えない介護は、介護者の心身を確実に蝕んでいきます。 あなた自身の時間がなくなり、仕事や他の家族との関係にまで影響が及んでいたかもしれません。その状況を客観的に振り返ることが重要です。
介護疲れがもたらす深刻なリスク
介護疲れは、単なる疲労だけでは済みません。精神的に追い詰められることで、介護者がうつ病を発症したり、最悪の場合、虐待へとつながってしまったりするリスクも潜んでいます。 「介護をさせてしまっている」という親御さん自身の罪悪感につながることもあります。 施設への入居は、そうした深刻な事態を避けるための、あなたと親御さん双方を守るための必要な措置だったのです。
専門的なケアで親の安全を守る
年齢を重ねると、転倒による骨折や誤嚥など、家庭内での思わぬ事故のリスクが高まります。また、医療的なケアが必要になる場面も増えてきます。介護施設には、専門的な知識と技術を持ったスタッフが24時間体制で常駐しており、安全な環境で適切なケアを提供することが可能です。あなたの決断は、親御さんの心身の安全を守るための最善の策であったと言えるのです。
後悔の念を和らげるための5つのステップ
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あなたの決断が正しかったと理解しても、すぐに後悔の念が消えるわけではありません。ここからは、その罪悪感を少しでも和らげるための具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:自分の気持ちを正直に認める
まずは、「後悔している」「罪悪感を感じている」という自分の気持ちを、ありのままに認めてあげましょう。「こんなことを考えてはいけない」と蓋をする必要はありません。親を大切に思うからこそ生まれる感情なのだと受け止めることが、心を軽くするための第一歩です。
ステップ2:信頼できる人に相談する
一人で抱え込まず、パートナーや兄弟姉妹、親しい友人など、信頼できる人に今の気持ちを打ち明けてみましょう。人に話すことで、自分の感情が整理され、客観的な意見をもらうことで視野が広がることもあります。もし、身近に相談できる相手がいない場合は、地域包括支援センターなどの公的な相談窓口を利用するのも一つの方法です。
ステップ3:介護から解放された時間を大切にする
介護から解放された時間を、「楽をしている」と罪悪感を感じるのではなく、「自分のための時間」として意識的に大切にしましょう。趣味に没頭したり、友人と会ったり、ただゆっくり休んだりする時間を持つことで、心に余裕が生まれます。あなたが心身ともに健康でいることが、結果的に親御さんを支える力になるのです。
ステップ4:施設スタッフとの連携を密にする
施設のスタッフを「任せきりにする相手」ではなく、「一緒に親を支えるパートナー」として捉え、積極的にコミュニケーションを取りましょう。 面会時に親御さんの様子を伝えたり、気になることがあればすぐに相談したりすることで、信頼関係が生まれます。施設と家族が手を取り合うことで、親御さんにとってより良い環境を作り出すことができます。
ステップ5:定期的な面会で愛情を伝える
施設に入居した後も、家族だからこそできることがあります。それは、定期的に顔を見せ、愛情を伝え続けることです。 頻繁に面会に行くことが、親御さんにとっては何よりの喜びであり、安心につながります。「見捨てられたわけではない」と感じてもらうことが、結果としてあなたの罪悪感を和らげることにもつながるのです。
施設入居後の親との新しい関わり方
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施設に入居したからといって、親子の関係が終わるわけではありません。むしろ、介護の負担がなくなったからこそ、穏やかな気持ちで向き合える、新しい関係性を築くチャンスでもあります。
面会の頻度や時間の工夫
「面会に行かなければ」と義務感に駆られる必要はありませんが、可能な範囲で定期的に訪ねることが大切です。 短時間でも顔を見せることで、親御さんは安心します。また、食事の時間に合わせて一緒に食事をしたり、施設のレクリエーションに共に参加したりと、面会の時間を工夫することで、より充実したひとときを過ごせます。
手紙や電話でのコミュニケーション
遠方であったり、仕事の都合で頻繁に面会に行けなかったりする場合でも、コミュニケーションを取る方法はあります。短い手紙や絵葉書を送る、決まった曜日に電話をするといった小さな積み重ねが、親御さんの孤独感を和らげます。「いつも気にかけているよ」というメッセージを伝え続けることが重要です。
施設のイベントに一緒に参加する
多くの施設では、季節ごとにお祭りや誕生日会などのイベントが開催されます。そうした機会に積極的に参加し、親御さんや他の入居者、スタッフの方々と交流するのも良いでしょう。施設での生活の様子をより深く知ることができますし、親御さんにとっても家族が来てくれることは大きな喜びとなります。
それでも後悔が消えないときは
これまで紹介した方法を試しても、どうしても後悔や罪悪感が拭えない場合もあるかもしれません。そのような時は、一人で抱え込まず、外部の力も頼ってみましょう。
施設の変更(転居)を検討する
もし後悔の原因が、施設の環境やケアの内容にあり、スタッフに相談しても改善が見られない場合は、施設の変更(転居)を検討することも一つの選択肢です。 親御さんにとっては負担になる可能性もあるため慎重な判断が必要ですが、より良い環境を求めることは決して間違ったことではありません。ケアマネージャーなどに相談し、情報を集めてみましょう。
カウンセリングなど専門家の助けを借りる
介護者のメンタルケアを専門とするカウンセラーや、精神保健福祉士などの専門家に相談することも有効な手段です。専門家の客観的な視点からアドバイスをもらうことで、気持ちの整理がつき、問題解決の糸口が見つかることがあります。罪悪感に押しつぶされそうになる前に、専門家の助けを借りることをためらわないでください。
まとめ
親を施設に入れた後の後悔や罪悪感は、親を深く愛しているからこそ生まれる自然な感情です。その決断は、ご自身と親御さんの双方を守るために必要だったという事実を、どうか忘れないでください。これからは介護の責任を一人で背負うのではなく、施設と協力しながら、新しい形で親御さんとの関係を築いていきましょう。
