グループホームでの看取りは可能?費用や流れ、後悔しない施設の選び方を解説!

グループホームでの看取りは可能?費用や流れ、後悔しない施設の選び方を解説!

「親がグループホームに入居しているけれど、最期までここで過ごせるのだろうか」「これから施設を探すなら、看取りまで対応してくれるところがいい」。このように、大切なご家族の終末期について、グループホームでの看取りを検討している方は少なくありません。住み慣れた場所で穏やかな最期を迎えてほしいと願うのは、自然な気持ちです。この記事では、グループホームでの看取りは可能なのか、その場合のメリットや注意点、費用、そして後悔しないための施設の選び方まで、分かりやすく解説します。

グループホームでの看取りは本当に可能?

結論から言うと、グループホームで看取りを行うことは可能です。近年、高齢化の進展とともに、住み慣れた環境で最期を迎えたいというニーズが高まり、看取りに対応するグループホームは増加傾向にあります。

看取りに対応するグループホームは増加傾向

かつてグループホームは、比較的お元気な認知症高齢者が共同生活を送る場所とされていました。しかし、入居者の高齢化や重度化に伴い、「終の棲家」としての役割が期待されるようになりました。そのため、多くのグループホームが地域の医療機関と連携し、看取りまで対応できる体制を整え始めています。

すべての施設で対応しているわけではない点に注意

ただし、すべてのグループホームが看取りに対応しているわけではない点には注意が必要です。施設の理念や人員体制、医療機関との連携状況によっては、看取りに対応していない施設もあります。看取りを希望する場合は、入居を検討する段階で、その施設が看取りに対応しているか、どのような体制を整えているかを必ず確認することが重要です。

国も「看取り介護加算」で後押し

国も介護保険制度を通じて、グループホームでの看取りを後押ししています。具体的には、「看取り介護加算」という制度があります。これは、医師が回復の見込みがないと判断した方に対して、本人や家族の同意のもとで、看取りに関する計画を作成し、手厚い介護を提供した事業所を評価する仕組みです。この加算の存在が、グループホームが看取りに積極的に取り組む一因となっています。

そもそも「看取り介護」とは何ですか?

「看取り介護」とは、近い将来、死が避けられないとされた方に対し、無理な延命治療は行わず、身体的・精神的な苦痛を和らげながら、人生の最期までその人らしく尊厳をもって過ごせるように支援することです。

ターミナルケア(終末期医療)との違い

看取り介護と似た言葉に「ターミナルケア(終末期医療)」がありますが、両者は少し意味合いが異なります。ターミナルケアは、医師や看護師が中心となり、点滴や痛みのコントロールといった医療的な処置を主に行うケアを指します。一方、看取り介護は、介護スタッフが中心となり、食事や排泄、入浴の介助といった日常生活の支援を通じて、穏やかな最期を支える点に重きを置いています。

項目看取り介護ターミナルケア
主な担い手介護スタッフ医師・看護師
主なケア内容日常生活の支援、精神的ケア医療的処置、苦痛緩和
主な場所介護施設、自宅病院、ホスピスなど

延命治療ではなく、穏やかな最期を迎えるためのケア

看取り介護の大きな特徴は、胃ろうや人工呼吸器といった延命を目的とした医療行為は行わない点です。本人の意思や家族の希望を最大限に尊重し、食事を食べられなくなれば無理強いはせず、自然な経過を見守ります。あくまでも、残された時間を穏やかに、その人らしく過ごせるように支援することが看取り介護の目的です。

グループホームで看取りを行う3つのメリット

住み慣れたグループホームで最期を迎えることには、ご本人にとってもご家族にとっても大きなメリットがあります。

住み慣れた環境で最期を迎えられる

最大のメリットは、認知症の方が環境の変化に弱いという特性を考慮すると、入院などで環境を変えることなく、住み慣れた場所で最期を迎えられることです。顔なじみのスタッフや他の入居者に囲まれ、いつも通りの生活空間で過ごせることは、ご本人にとって大きな安心感につながります。

認知症ケアの専門スタッフがいるので安心

グループホームのスタッフは、認知症ケアの専門家です。ご本人の言動や状態の変化を深く理解し、その時々の状況に合わせたきめ細やかな対応が可能です。言葉でのコミュニケーションが難しくなっても、これまでの関係性からご本人の思いを汲み取り、尊厳を守るケアを提供してくれます。

家族の精神的・身体的な負担が軽減される

病院での看取りの場合、家族が泊まり込みで付き添うなど、身体的・精神的な負担が大きくなることがあります。グループホームであれば、24時間スタッフが常駐しているため、家族は頻繁な付き添いの必要がなく、仕事や自身の生活との両立がしやすくなります。不安なことがあればいつでもスタッフに相談できるという点も、精神的な支えとなるでしょう。

グループホームでの看取りに関する3つの注意点

多くのメリットがある一方で、グループホームでの看取りには限界や注意すべき点も存在します。事前に理解しておくことで、いざという時に慌てずに済みます。

提供できる医療行為には制限がある

グループホームには、医師や看護師の配置が義務付けられていないため、提供できる医療行為には限りがあります。痰の吸引や経管栄養など、常時医療的なケアが必要になった場合、施設によっては対応が難しいことがあります。そのため、協力医療機関との連携体制が非常に重要になります。

看取りの体制が整っていない施設もある

前述の通り、すべての施設が看取りに対応しているわけではありません。看取りの実績が少なかったり、夜間の人員が手薄だったりすると、いざという時に十分な対応ができない可能性があります。入居前に、看取りに関する具体的な方針や過去の実績について、詳しく確認することが不可欠です。

状態によっては退去が必要になるケースも

グループホームでの生活が困難になるほど医療依存度が高くなった場合や、集団生活に支障をきたす症状が現れた場合には、やむを得ず病院への入院や他の施設への転居を勧められることがあります。看取りを希望していても、ご本人の状態によっては、グループホームで最期まで過ごすことが難しいケースもあることを念頭に置いておきましょう。

グループホームでの看取りの流れ

実際にグループホームで看取りを行う場合、どのようなプロセスで進んでいくのでしょうか。一般的な流れを解説します。

手順1:入居時における意思の確認

多くの施設では、入居契約の際に、終末期にどのようなケアを望むかについて本人や家族の意向を確認します。延命治療の希望の有無や、最期をどこで迎えたいかなどを話し合い、その内容を記録しておきます。

手順2:看取りへの移行に関する本人・家族の同意

ご本人の状態が悪化し、医師によって回復が困難な終末期であると判断された段階で、施設から本人および家族に対して、今後のケアの方針について改めて説明があります。その内容に同意した上で、看取り介護へと移行します。

手順3:看取り介護計画の作成と共有

看取り介護への同意が得られた後、ケアマネジャーを中心に、医師、看護師、介護スタッフ、そして家族が連携して「看取り介護計画」を作成します。ご本人の苦痛をどのように和らげるか、家族はどのように関わるかなど、具体的なケアの方針を決め、関係者全員で共有します。

手順4:心身の苦痛を和らげるケアの実施

計画に基づき、看取り介護が開始されます。食事や水分が摂れなくなってきた際の対応、床ずれの予防、口腔ケア、穏やかな環境づくりなど、身体的な苦痛と精神的な不安を和らげるためのケアが中心となります。施設は家族に状況を随時報告し、家族が面会しやすいように配慮してくれます。

手順5:逝去後のエンゼルケア

ご家族やスタッフに見守られながら穏やかに逝去された後は、エンゼルケア(死後の処置)が行われます。身体を清め、お化粧を施し、生前お気に入りだった服に着替えるなど、その人らしい最期の姿を整えます。希望すれば、家族も一緒にエンゼルケアを行うことができます。

グループホームでの看取りにかかる費用の内訳

グループホームで看取りを行う場合、通常の月額利用料に加えて、いくつかの費用が発生します。

介護保険サービス費(看取り介護加算)

看取り介護が始まると、介護保険サービス費として「看取り介護加算」が算定されます。この加算は、亡くなる日に近づくにつれて単位数が高くなるように設定されています。自己負担割合に応じて、この費用を支払うことになります。

期間1割負担の場合の目安(1日あたり)
死亡日以前31日~45日72円
死亡日以前4日~30日144円
死亡日前々日・前日680円
死亡日1,280円

※上記はあくまで目安であり、地域や施設の体制によって異なります。

参考:令和3年度介護報酬改定における改定事項について|厚生労働省

訪問診療や薬剤などの医療費

終末期には、協力医療機関の医師による往診や、訪問看護師によるケアを受けることが多くなります。これらの医療サービスにかかる費用は、医療保険の適用となり、自己負担分を支払う必要があります。また、処方された薬の費用も別途かかります。

その他の自己負担費用

上記以外に、おむつ代や、特別な食事を希望した場合の食費などが実費で請求されることがあります。また、亡くなった後のエンゼルケアの費用や、葬儀に関する費用も必要になります。どのような費用が別途かかるのか、事前に施設に確認しておくと安心です。

後悔しない!看取りに対応したグループホームの選び方

大切なご家族の最期を任せる施設選びは、非常に重要です。以下のポイントを参考に、慎重に検討しましょう。

看取り介護に関する実績を確認

まず、その施設に看取り介護の実績がどのくらいあるかを確認しましょう。実績が豊富な施設は、スタッフの経験値も高く、急な状態変化にも落ち着いて対応できるノウハウを持っています。見学時などに、過去の看取りの事例について具体的に質問してみることをお勧めします。

地域の医療機関との連携体制を確認

どのような医療機関と、どのように連携しているかは非常に重要です。24時間対応可能な訪問診療や訪問看護ステーションと提携しているか、緊急時には迅速に入院できる協力病院があるかなどを具体的に確認してください。

施設の理念やスタッフの考え方を確認

施設全体として、看取りに対してどのような考えを持っているか、理念を確認しましょう。また、実際に働くスタッフと話をし、入居者一人ひとりの尊厳を大切にする姿勢があるか、温かい雰囲気があるかを感じ取ることも大切です。スタッフの言葉遣いや入居者への接し方から、その施設の質が見えてきます。

夜間の人員配置や緊急時の対応を確認

容態が急変しやすいのは夜間です。夜間に何人のスタッフが配置されているのか、看護師への連絡体制はどうなっているのかなど、緊急時の対応マニュアルについて詳しく聞いておくと、いざという時に安心です。

まとめ

グループホームでの看取りは、住み慣れた環境で穏やかな最期を迎えられるという大きなメリットがあり、多くの施設で対応が進んでいます。しかし、医療体制の限界や施設ごとの方針の違いもあるため、事前の情報収集と確認が不可欠です。本記事でご紹介したポイントを参考に、ご本人とご家族が心から納得できる「終の棲家」を選び、後悔のない最期の時間を過ごせるように準備を進めていきましょう。

その他のお役立ち情報