BANANA NEWS リニューアル第3号が発行しました。
第2号の「口福の会」に続き、バナナ園グループの“夢を叶える取り組み”から「狂言教室」をご紹介!
「笑う」「声を出す」ことで、入居者様が元気で心豊かにお過ごしいただけるよう
和泉流 女狂言師 十世三宅藤九郎先生をお招きして「狂言教室」を開催しています。
事業所は生田の杜・泉と生田ヒルズです。ぜひご覧ください!!

TOPIC

「笑う」ことで語感を刺激する「狂言教室」!三宅藤九郎先生へインタビュー
事業所紹介vol.2『生田の杜・泉』『生田ヒルズ』

笑いで五感を刺激する 「狂言教室」開催!

 バナナ園グループでは、夢を叶える3つの柱の中のひとつとして、狂言師十世三宅藤九郎さんをお招きして「狂言教室」を開催しています。今号は、狂言師十世三宅藤九郎さんにお話を伺いました。

自分の狂言師としての努めに対して、その時々の最善を尽くす

 狂言和泉流宗家、先代十九世宗家和泉元秀のもとに生まれ、3歳で初舞台を踏みました。お稽古が始まったのは和泉流宗家の習わしに従って、1歳半の時でした。この家に生まれたことが、きっかけと言えばきっかけで、運命といえば運命ですね。祖父で人間国宝だった九世三宅藤九郎の跡を継いだのが14歳の時でした。この時までにプロになるために披ひらかなくてはいけない演目も披き終えていましたし、毎日の修行の中で、伝統芸能である狂言は芸とともにその歴史と家系を守っていかなくてはいけないことも身にしみて理解していました。「仕事を始めた時」というと稽古が始まった1歳半の時かなとも思いますが、その後の初舞台の時も三宅藤九郎家を継いだ時も、原点となる思いはいつも同じです。自分の狂言師としての務めに対して、その時々の最善を尽くすということです。

今よりもっと明るく幸せな気持ちで毎日を過ごせる人を増やしたい

 狂言が伝えてきた日本人の心の明るさや強さを全国の老若男女にお伝えして、今よりもっと明るく幸せな気持ちで毎日を過ごせる人を増やしたいと考えています。そして狂言は日本人に限らず人間が生きる上での喜怒哀楽と調和を描いた芸能なので、世界中で楽しまれるように海外への発信も力を入れていきます。今年2022年は女性狂言師の歴史が50年(史上初女性狂言師である姉が舞台50年)を迎え、私も三宅藤九郎家の継承35年を迎えます。5月に国立能楽堂で祝賀公演を開催するので、まずは健康でこの公演を成功させること。もともと狂言は女人禁制ではないのですが、能楽はまだまだ男性中心の社会です。せっかくの機会ですから女性狂言師の活動を周知しながら日本のジェンダー指数にも意識を向けてもらうきっかけになるといいなと思います。

常に全力でいつでもどんなことでも

 舞台の上だけでなく、誰からも見えないところにも美しさや真摯さがあるように。常に全力でいつでもどんなことでも、前より少しでも良くなるように。狂言は喜劇ですし、元々は神事として神様に捧げるものでした。神事であった当時は狂言を上演したことで喜んでくださった神様から、その力を分けていただいて皆が元気になったはずですから、現代でも狂言を観た人・関わった人が元気で楽しく幸せになることを心がけています。

単なるレクリエーションではなく、“一曲を謡えるようになるためのお稽古”を、きっと覚えていただけると信じて

 大人でも子供でも、年齢に関わらず、自分が何かをできるようになる・芸術を表現できるようになることは、無条件に嬉しいものです。自分の可能性を感じることができる瞬間が、それ以外の時間も豊かにしてくれます。ある施設の女性入居者の方は、いつも私が帰る時にお見送りをしてくださっていました。90歳を超えたその方があるとき仰いました。「本当に、毎日何も意味のない日を、意味ある日にしてくださってありがとうございます。」
 ひと月に一度のたった1日でも、誰かにとって意味があると思える日を作れたらこんなに幸せなことはありません。入居者の皆様の365日を支えるバナナ園グループ・職員の皆様の素晴らしいお仕事があって、狂言教室の活動があります。是非これからも一緒に、狂言を楽しんでいただきながら、狂言教室を盛り上げていただければ嬉しいです。

狂言師 十世 三宅 藤九郎さん

師匠は実父である人間国宝和泉元秀(和泉流十九世宗家)、祖父は人間国宝九世三宅藤九郎。弟は和泉元彌(二十世宗家)、姉は和泉淳子(史上初の女性狂言師)国内外での公演に加え、近年は米国ノースダコタ州立大学客員アーティストとして狂言指導。2012〜2019年の間に内閣府の対米広報特使として9州14都市を訪問し、日本の伝統芸能を広く海外に紹介する活動とともに、狂言を通じて小中学生の「こころを楽しく育てる」活動に取り組んでいる。

事業所紹介vol.2 バナナ園生田の杜・泉 バナナ園生田ヒルズ

 今回は、川崎市北部に位置する3事業所から、管理者のメッセージと、体験談をご紹介します。

生田ヒルズ 管理者 須田 晴佳さん
 生田ヒルズは、小高い丘の閑静な住宅街にあり、入居者様にとって大変過ごしやすい環境です。ウッドデッキがあり、コロナ禍で外出しづらい時期も外の空気に触れて日常過ごせるメリットがあります。室内の共有スペースも天井が高く、窓が大きいので光が差し込みやすくとても空気感がいい場所です。
 日々の介護では、入居者様1人ひとりの表情や声のトーン、反応、仕草や食事の量まで細かい変化を見逃さないことに気をつけています。
 職員は若い方から年配までいて、それぞれ個性も豊かなチームですが、一年365日時を休みなく動く職場を交代で勤務しているため、チームケアは極めて重要です。そのため、特に報連相を徹底し、少しでも気になることがあった際には管理者の私にすぐ連絡してもらいます。つい先日も突発的な対応が発生しましたが大きなトラブルは無く、あらためて頼もしいチームだと感じました。先日、気難しい性格だと思っていたある入居者様が、他の入居者様に優しく接していたり、私とのキャッチボールで気を配って受け取りやすく玉を投げてくださったほんわかした出来事がありました。あたたかな気持ちにさせていただき、自然と笑顔がこぼれました。

生田の泉 ユニットリーダー 新井 みゆきさん
 とてもかわいらしい入居者様がいらっしゃいました。以前いらした施設では、わがままを言って怒られていたらしいのですが、入居されてからはご家族に「ここの施設は楽しい。ここがいい」っておっしゃられていたそうです。私たち職員の心の中に明るいお人柄の面影がずっと残っています。
 娘さんも明るく積極的な方で、推進会議や口福の会へも快くご参加いただきました。娘さんはとても洋裁がお上手な方で、手作りのマスクを職員全員にプレゼントしてくださったこともありました。コロナウイルス感染初期の頃で、マスク入手が困難だった私たちにとって大変ありがたく、心のこもった手作りのマスクをいただき何より娘さんのお気持ちが嬉しく、みんなで好みの柄を取り合ったり、記念撮影をしたことを思い出します。
 今回あらためてマスクを取り出し、入居者様のエンディングの時が浮かびました。つい「まだまだ何かいろいろできたのではないか」と考えてしまいますが、ご家族からいただいた「もう十分です。本当にお世話になりました」の言葉が思い出されます。でも、私たちの方こそお世話になったのです。本当に感謝しています。

生田の杜・泉、生田ヒルズ

川崎市宮前区(杜・泉)と多摩区(ヒルズ)にある高齢者認知症対応型共同生活介護のグループホーム。
生田の杜・泉は安心安全な耐震・防火構造の鉄筋コンクリートの建物。屋上からの眺望は素晴らしく、春は聖マリアンナ医科大学病院の桜をみることもできます。生田ヒルズは緑豊かで閑静な高級住宅エリアに位置し、山小屋風の建物は別荘にいるようなゆったりとした贅沢な時間が流れます。
生田の杜・泉:小田急線向ヶ丘遊園駅からバス「聖マリアンナ医科グランド前」下車2分。
生田ヒルズ:小田急線生田駅からバス「春秋苑入口」下車3分。