「バナトレ」とは、川崎市を中心にグループホームを展開しているバナナ園グループによる、独自の介護プログラム。今までの介護業界にはなかった、認知症高齢者を含むすべての方に向けた“パーソナルトレーニング”です。
入居者さま一人ひとりの身体機能や健康状態に合わせたトレーニングを実施できるのは、日々家族のように寄り添い、目が行き届くケアを実施しているバナナ園グループだからこそ。
バナトレを導入して約1年、改めて「バナトレ」について詳しくご紹介していきます。
ADL向上に向けた介護プログラム
2023年1月からスタートしたバナトレは、生活の質を根本から向上させる目的で開発されました。近年では、感染症や酷暑などの異常気象で外出が困難になっており、入居者さまが散歩などで身体を動かす機会が減少。そのために身体機能の低下が懸念されていました。バナトレはこれらの環境変化に対応し、室内で行えるトレーニングとして、日常生活動作(ADL)の改善を基軸に置いています。
このトレーニングプログラムでは、人間の身体の動きの中で最も重要な「脊柱」の動きを中心に、骨格の正しいアラインメント(※身体の各部位が適切に配置され、バランス良く支えられる状態)の回復と筋肉機能の促進をすることに重点を置いています。これにより、立ち上がりや歩行・姿勢の維持といった基本的な動作の改善を目指しています。
また、女性にとって重要な「月経」に特化したオリジナルメニュー (月経コンディショニング) もトレーニングに取り入れ、尿漏れの改善や骨盤臓器脱の予防を強化しています。
チームケアで叶える、質の高い介護
週に1回行われるバナトレには『SP-Body』のトレーナーがグループホームに訪れ、トレーナーとバナナ園グループの職員がサーキット形式で入居者一人ひとりを見守ります。
入居者さまの日々の情報を共有し合い、トレーナーがその日の体調や能力に応じてトレーニングの内容を調整。「Aさんは座ったままでこの動作を行いましょう」「Bさんは今日、少しレベルアップした動きができそうですね」などと指示を出しながら、一人ひとりに合わせたパーソナルトレーニングをチームで協力して行います。
また、バナトレの効果には回数も大切。トレーナーがいない日でも、職員が積極的に日々の介護にバナトレを取り入れることで、入居者さんの変化が目に見えてわかるようになっています。
バナナ園グループは、地域や外部のプロとの連携によるチームケア(※医師、看護師、介護士など、異なる専門職がチームを組んで介護にあたること)により、学びと成長を続けることで、介護の質の向上に励んでいます。
「心を動かし体を動かす」明るく楽しい時間の提供
「動かないから諦める」ではなく、「やってみよう」という意欲を育むことが運動機能の向上には欠かせません。バナトレでは名曲『ふるさと』をトレーニングの音楽として流し、曲に合わせて運動をすることで、入居者さんに明るく楽しい時間を過ごしていただいています。最初は手探りだった入居者さんも、今ではリズムに合わせて自然と身体が動き出すほどに。心を開いて積極的にトレーニングに参加する様子は、バナナ園の職員にとっても感動的な瞬間になっています。
バナトレは単に身体機能の向上に留まらず、入居者さまの心の健康も重視しています。好きな音楽を聞いて、心が躍動することで体も自然と動き出し、日々のリハビリや運動がより楽しいものに変わっていく。バナトレの時間は、バナナ園グループが大切にしている「明るく温かみのある時間」となっています。
バナトレで起こる小さな奇跡
バナトレを導入して1年以上が経過し、多くの入居者さまに顕著な改善が見られます。「ゆっくりと歩けるようになった」「肘を反対側の膝へ、回旋できるようになった」といった日々の小さな奇跡が、生活の質の向上に。入居者さまのご家族からも高く評価されており、「毎日でもバナトレをしてもらいたい」との感謝の声が寄せられています。
私たちバナナ園グループが目指すのは、環境変化に適応し、時代を先取りした新しい介護の構築。
常に進化し続ける介護で、入居者さまや川崎市の地域の皆さまの豊かな生活を支えていきます。
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