川崎市を中心に介護ホームを展開しているバナナ園グループでは、外部のプロとの取り組みであるチームケアを積極的に導入しています。
今回は、その一環である「バナトレ」のトレーナー、小野亜希さんにインタビューを実施。高齢者向けトレーニングを始めたきっかけや、バナトレに対する想い、取り組みの工夫についてお伺いしました。
【トレーナーインタビュー関連記事】:「バナトレ」が効果を発揮できる理由は、プロフェッショナルとのチームケア
【ご紹介】SP-Bodyバナトレリーダー小野亜希さん
トレーナー育成の専門学校卒業後、スポーツクラブに在籍し実践経験を積む。在籍中は、ヨガやエアロビクスのレッスンを担当。その後、「高齢者向けのトレーニングをしたい」という想いから、フリーインストラクターに移行。25年間の運動指導経験を活かし、地域包括支援センターや老人いこいの家で機能改善を目的とした高齢者向けのレッスンを担当されています。現在は、新丸子に店舗を構えるSP-Bodyにも所属しながら、バナナ園グルーブ独自のパーソナルトレーニング「バナトレ」のトレーナーを務めていただいています。
高齢者が楽しく、前向きにトレーニングできる環境を作る
――高齢者向けにトレーニングをするようになったきっかけは何ですか?
> 小野亜希さん
スポーツクラブには基本すごく元気な方が来るので、高齢者の方にとってはレッスンがきつくて参加できない場合が多いんです。体調を改善するプログラムや、本当に運動を必要としている方々向けのプログラムが十分に整っていないことに気づきました。こうした状況を変えたいと思ったのがきっかけで、そこから機能改善や解剖学を学び、高齢者向けのレッスンを始めました。
――高齢者に対する機能改善を目的としたレッスンでは、どんなことを意識していますか?
> 小野亜希さん
効果はもちろん大切ですが、楽しみながら参加してもらえるレッスンを心がけています。特にバナナ園グループの入居者さまのような認知症高齢者の方々は、運動した記憶を忘れてしまいやすいと言われていますが、「楽しい」「嬉しい」「つらい」といった感情記憶は残りやすいようです。私のレッスンを受けて少しでも「楽しかった」と感じてもらえたら、そのポジティブな感情が運動を続けるきっかけになると思っています。
実際に、入居者さまの中には私が来ると笑顔を見せてくれる方や、帰り際に「またね〜」と手を振ってお見送りしてくれる方もいます。なんとなく覚えていてくれているのかなと、その度にうるっとしてしまいます。私の方がバナナ園に伺うたびに幸せをもらっていますね!
機能改善の近道は「パーソナライズ化」されたトレーニング
――バナトレの特徴について教えてください。
> 小野亜希さん
バナトレの強みは、一見グループレッスンのように見えますが、一人ひとりに合わせたアプローチをしている点です。立ち上がりが弱い方もいれば、手を動かしにくい方もいる。入居者さまの身体能力はさまざまなので、全員に同じ動きをしていただく中でも、それぞれの方に合った方法でサポートしながらトレーニングを行います。そうすることで、より効果的な機能改善を目指せるのがバナトレの最大のポイントだと思います。
――入居者さまの体の状況はその日によって異なると思いますが、どのタイミングで確認されているのですか?
> 小野亜希さん
バナトレは時間が限られているため、一番初めに全員で行う「ふるさと体操」の時に一人ひとりのその日のコンディションを確認しています。そこで「今日は足が上がりにくそうだな」とか、「先週より動かせているな」といった具合に観察しています。少し疲れている様子が見られる場合は負荷を軽くしたり、無理のない範囲で運動を進めるようにしています。その日の状態に合わせたトレーニングを提供することが、機能改善の近道になると思っています。
入居者さまと職員が幸せになれるサービスを提供したい
――バナトレをはじめて一年。これまでに目にした入居者さまの変化について教えてください。
> 小野亜希さん
入居者さまの変化はたくさんありますが、全体的に皆さん、立ち上がりの力が強くなっている印象です。この年齢になると筋力をキープすることも大変ですが、日常的に職員さんがバナトレを取り入れてくれているおかげだと感じています。また、バナトレに組み込んでいる「月経コンディショニング」では骨盤底筋群を鍛えていて、ボールを使って内転のトレーニングを行っています。ボールを力強く足で掴めるようになった方は、排泄機能も向上していますね。紙パンツから普通のパンツに戻った入居者さまがいると聞いて、本当にすごい成果だと思います。さらに、バナナ園グループさんのアットホームな雰囲気もあり、皆さんの顔つきが穏やかで、どんどん明るい表情になっているように感じます。
――最後にバナトレに対する思いや将来の展望について教えてください。
> 小野亜希さん
入居者さまに楽しんでバナトレに参加してもらい機能改善の効果を出すこと、職員の皆さんの負担を少しでも減らすこと。バナトレを通して、入居者さま・職員の皆さんどちらも幸せにすることが私の目標です!
まとめ
今回は、トレーナーの小野亜希さんによるインタビューを通して、バナナ園グループが提供する「バナトレ」の魅力と効果について詳しくご紹介しました。私たちバナナ園グループは、プロのトレーナーとタッグを組むことで、入居者さまの健康と幸せを支えるだけでなく、職員の介護の質も向上させることができています。これからも入居者さまがより良い生活を送れるよう、積極的にチームケアを導入していきます。
バナトレの様子や詳細については、他の記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
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