2024年5月14日(火)、筑波大学付属高等学校の学生団体『生理用品×学生』により月経コンディショニングのワークショップが開催されました。このワークショップには月経コンディショニングの考案者でありバナナ園グループで行われている「バナトレ」のトレーナー、SP-Bodyの太田藍さんが登壇。男子学生や教職員も参加され、生理に関するジェンダーレスな視点での理解を促進するイベントとして、バナナ園グループが全面サポートいたしました。
学生団体『生理用品×学生』とは?
筑波大学付属高等学校の学生たちによって結成された『生理用品×学生』は、「ナプキンが保健室で有料であること」「コソコソと隠れて生理用品を持ち歩く環境」「生理痛がひどくて休むと、進学に影響する問題」など、学校生活を送る上での生理に関する疑問がきっかけとなっています。過去に開催された、高校生が社会課題解決のアクションアイデアを考えるコンテスト『SDGsみらい甲子園 埼玉大会』では最優秀賞を受賞されており、学校のトイレに生理用品を無料で設置することや、生理休暇を取得することを目標に活動されています。
今回のワークショップでは、生理の基本知識の共有や、月経血の量を視覚的に理解する実験、ナプキンの着用体験などが行われました。放課後の自由参加型ワークショップであるにも関わらず、総勢50名ほどの生徒が参加。我々が特に驚いたのは、男子生徒の参加率の高さです。参加理由をお伺いすると「姉が生理で困っていた時に何もできなかったから」「いつかパートナーができた時に寄り添えるように」という心温まる答えが返ってきました。
体験するからこそわかる月経のこと
生理は普段、人と共有しにくいテーマです。特に月経血の量は、人と比べることはできず、自分自身の量が正常であるかどうか、大人であってもわかりづらい問題です。そこで『生理用品×学生』の皆さんが用意したのは、色をつけた水とナプキン。30mlの青い水はお昼に出る多い量を表し、80mlの黄色い水は夜に出る量を表したもの。それぞれの水をナプキンに染み込ませ、その量と重さを体験していただきました。視覚的に見ることで、自分はこれよりも少ない、多いなどの判断基準になったと思います。
さらに、女性が日頃感じているナプキンの不快感を体験する、着用体験も行われました。男子生徒は最初こそ抵抗があったものの、参加したほぼ全員がその体験に参加。トイレで装着した後に感想を伺うと、「着けた後に歩くとナプキンが皮膚に擦れて、かなり不快感」「この状態で授業、ましてや体育なんてしんどい」「女子って想像以上に大変だな」などのリアルな感想をいただきました。
女子生徒からは、気持ちを理解しようとする前向きな姿勢が何よりも嬉しいとの感謝の声が上がりました。
月経コンディショニングの必要性
太田さんはこのワークショップの中で、月経コンディショニングの重要性についても話しました。月経コンディショニングとは、膀胱・子宮・直腸などの臓器を支える骨盤底筋群のトレーニングのこと。「生理痛は避けられない」と一般的に考えられがちですが、正しい知識を身につけることで生理痛を軽減し、生理周期を正常化することができます。
また、骨盤底筋群の筋肉が弱まると、年齢とともに臓器が下垂し、ひいては臓器脱を引き起こすリスクもあります。実際にバナナ園グループで開催している認知症高齢者に向けたトレーニング「バナトレ」にも、月経コンディショニングの要素を入れており、このリスクを改善しています。
月経コンディショニングは生理がある年齢に限らず、すべての女性の長期的な健康管理として重要であることを、学生に伝えられた貴重な機会となりました。
介護の枠を超えた活動と目指す未来
今回行われたワークショップは直接介護に関係するイベントではありませんでしたが、月経コンディショニングは女性が生涯にわたって必要な健康管理であり、SP-Bodyの太田藍さんとチーム体制で普及させることがバナナ園グループの使命だと感じています。 また、介護業界においても月経コンディショニングは必須であると考えており、この取り組みが将来的に介護の質の向上につながることを目指しています。
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